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家のちかくに
まばらに石が敷かれている
土の道がある。
冬ははいいろの
さむざむしい道。

だけど
すこしあたたかくなると
石のすきまから
みどりがのびてきて
とおるたびに
あおくしめった匂いがして
きもちがいい。

春になって
タンポポのきいろい花が咲いた。
そしてだんだん
しろい綿毛にかわっていく。
あらためて見ると
花屋にならんでいるものよりも
かわいらしく見えて
おもわず摘んでしまう。

殺風景なへやにもってかえり
ひとつさしてみると
ふしぎにしっくりくる。
つい
人に見せたくなるほどだった。

それいらい
道ばたの草花をみつけては
ぷちりぷちりと
むしっている。

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